住宅ローン減税の効果
住宅ローン減税とは、住宅ローンでマイホームを取得した場合に税金が安くなる制度で、正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。
年末ローン残高の1%(あるいは0.5%)を限度額として、自分が納めた所得税が還付される仕組です。
還付される税額は、
・住宅ローンの名義人が支払った年間所得税額
・住宅ローンの年末残高に控除税率をかけた金額
のいずれか少ない金額となります。
ここでポイントは、
必ず1%相当額が戻ってくるわけではない
ということです。
この制度はあくまで所得税の還付であり、自分が収めた所得税以上の金額が戻ってくるわけではないのです。
実際には、納めた所得税額が減税限度額よりも少ない人が大半ですので、実は住宅ローン減税のメリットをフルに活用出来ている人というのはそれほど多くはありません。
たとえば、3000万円のローン残高で1%控除税率とすると30万円の減税が受けられます。しかし、その人が年間に支払った所得税額が20万円だとしたら、還付されるのは30万円ではなく20万円になるわけです。
もちろん、住民税は対象外で、あくまでも所得税が対象となります。また、税制改革によって住宅ローン減税は年々縮小される傾向にもあります。
このように、多くの人が思っているほどに住宅ローン減税というのはそれほど大きな影響があるわけではありません。その他の諸経費やローン金利のほうがよほどインパクトがあるのです。
夫婦で減税を受ける方法
なお、住宅ローン減税を最大限活用するためのテクニックとして、夫婦で減税を受けるというものがあります。
前述したように1人では減税枠を使い切れない場合がほとんどですので、夫婦で別々に住宅ローンを組んだり、一本の住宅ローンで連帯債務者になることによって2人とも住宅ローン減税を受けるわけです。 これによって、1人の場合よりも多く還付を受けられ場合もあります。
もちろん、所得税を支払うわけですから共働きが条件となります。専業主婦では意味がありませんし、将来にわたって働き続けるという前提が必要となります。また物件の登記簿上も持分をいれる必要があります。
この場合気をつけてほしいのは、「連帯債務」と「連帯保証」の違いです。細かい説明は省きますが、住宅ローン減税を夫婦でそれぞれ受けるには、「連帯債務」という形式であることが必須です。
「連帯保証」では主たる債務者しか住宅ローン減税の対象とはなりません。夫婦での減税を検討される方は、住宅ローンを契約する場合に契約条件をよく確認しましょう。
住宅ローン減税に関する注意点
返済期間が10年未満になると受けられなくなります。なので、内入れ(期間短縮型)や条件変更の際にはタイミングに気をつけましょう。
また、減税枠は年末借入金残高を元に計算しますので、内入れを考えているのであれば年末ではなく年始にやったほうが得です。
ちなみに、借り換えや買い替えをする場合でも住宅ローン減税を受けることは可能です。(借入金年末残高の計算方法が少し変わりますが)