住宅ローン借り換えの概要
日銀のゼロ金利政策解除や金利上昇が現実となり、住宅ローンの借り換えを検討する人が急増しています。
最近では多くの金融機関で借り換え用の住宅ローンを提供しており、条件も多種多様です。この章では、借り換え住宅ローンの概要について簡単に説明したいと思います。
そもそも住宅ローンの借り換えって何?
住宅ローンの借り換えとは、今の住宅に住み続けながら現在よりも有利な条件の住宅ローンに変更することで、これによって月々の返済額を少なくしたり、返済総額を数百万円節約することができたりします。
公庫ローンから民間金融機関のローンへの借り換え、民間金融機関から別の民間金融機関のローンへの切り替えといったケースが該当します。民間金融機関のローンから公庫ローンに借り換えるということはできません。
借り換えをするメリットは?
たとえば、以下のようなことができます。
・返済総額を数百万円も少なくする・長期固定金利に借り換えることで今後の金利上昇のリスクを回避する
・低金利に借り換え、さらに返済期間を短くして返済総額を大幅に節約
・低金利に借り換え、返済期間はそのままにして月々の返済額を少なくする
などなど・・・
他の章で詳しく述べますが、2%半ばの固定金利でローンを組んだ人以外は、ほとんどの人にとって借り換えはメリットがあります。
たとえば、公庫の住宅ローン(固定金利)を借りた人でも11年目以降は段階金利が採用されるため、段階金利よりも低い固定金利の民間ローンに借り換えることはぜひ検討したほうがよいでしょう。
どのような住宅ローンに借り換えればいい?
住宅ローンの借り換えを検討する場合は、固定金利の住宅ローンに借り換えましょう。2006年から金利を低く抑える政策も解除され、今後は金利の上昇が予想されます。
今現在の住宅ローン固定金利の水準は歴史的にみても諸外国先進国の状況をみてもまだまだ低金利です。しかしいつまでこの状況が続くかわかりません。ですから、今こそ長期固定金利の住宅ローンを利用するタイミングといえます。
住宅ローン残高が担保評価額よりも多いけれど大丈夫?
借り換えと聞くと、「うちは住宅ローン残高が多くて担保評価額より大きいから無理」と思われる方もいます。
つまり、現在利用している住宅ローンの借入残高のほうが、物件の担保評価額(時価)よりも多いため、古い住宅ローンの完済ができないのではと心配されているわけです。
けれど心配ご無用です。担保評価額が住宅ローン残高より少なくても借り換えは問題なくできます。
そもそも、最近の地価下落の影響もあって、多くのケースでは担保評価額がローン残高を下回っているのです。
新しいローンで差額分を上乗せして設定するため、ローン残高が大きくても借り換えることが可能なのです。
以上が、住宅ローン借り換えの概要です。なんとなくイメージできたでしょうか?
次章以降は、より詳細について検討していきたいと思います。